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番組バックナンバー
2009年6月5日放送の番組バックナンバー


金曜日のギモン!?お葬式の費用 トラブルを防ぐには?

金曜日のギモンはお葬式の話題です。最近、お葬式の費用を巡って葬儀社と利用者の間でトラブルが増えているそうです。人生のエンディングを納得して迎えるためにはどうすればいいのか、ギモン調査しました。

大阪市内に住む北田実規子さん。北田さんは17年前に病死した父親のお葬式で大きなショックを受けました。

北田さん
「父の時、密葬にしたかった。家族7人であげようと思って葬儀社に伝えた。
すると葬儀のお部屋が100人以上入るすごい大きな部屋で…。恥ずかしさと ショックが大きかった」

この時、葬儀社から請求された費用はおよそ250万円。ところが5年前に同じ葬儀社を通じて母親のお葬式をした際、費用はわずか40万円ほどでした。

北田さん
「父の時と母の時、人数はほぼ一緒で値段の違いにビックリして…。父の時のお葬式って何だったんだろう思う」

                                                                                   お葬式を巡る葬儀社と利用者とのトラブル。国民生活センターに寄せられる苦情の件数は年々、増加傾向にあります。中にはこんな苦情も…。

(50歳代 女性)
「契約していないのに、葬儀社に勝手に棺を持ち込まれ遺体を運ばれた。
結局そのまま契約してしまった」
(60歳代 男性)
「葬儀社から30万円でできると聞いて遺体を運んだが、
実際には115万円もかかった」

トラブルのほとんどが「葬儀費用」に関するもので、原因はそのわかりにくさにあります。葬儀費用は大きく分けて3つ。葬儀社に直接支払う「基本料金」と、お葬式をお願いした僧侶や神父などに渡す「謝礼」、そして料理やお返しの品を含めた「接待費」です。中には基本料金だけでお葬式ができると説明し、後になって多額の追加費用を請求する葬儀社も…。葬儀社が事前に料金について詳しい説明をしないことなどがトラブル増加の原因となっているようです。

ちなみに日本消費者協会が調べたところ、基本料金や謝礼など全てを含めた
葬儀費用の全国平均は231万円でした。また近畿の平均は182万円となっています。

葬儀トラブルに詳しい、松尾善紀弁護士
「日本人はお葬式の事をすごく大事にするし、見栄もあるのでそういう所は業者側に
つけこまれる。業者側は『多少不満があっても文句は言わないだろう』ということで
不当な内容の契約を結ばせたり、法外な料金を平気で請求する」

 こうしたトラブルをなくすため、料金の説明に力を入れる葬儀社もあります。
大阪府吹田市の吹公社(すいこうしゃ)は社員30人ほどの中堅の葬儀社です。この会社では写真つきのカタログを使って祭壇や棺にかかる費用を説明しています。またお葬式の費用に含まれるものと、含まれないものを明記することでトラブルを避ける努力をしています。事前の説明に力を入れる葬儀社は、最近増えているそうです。

吹公社・山下さん
「我々は含まれてないものを提示して、見積もり時にお客さんに『これは必要か必要でないか?』との質問はさせていただいています。見積もりの段階で、『これは一体何か?これは必要か?』と質問いただいた方が、お客さんがどこまで理解されているか、 納得されているか担当者もわかりやすい。逆に質問を頂くのが有難い」 

ギモン隊はご遺族の了承を得て、今回この葬儀社が請け負ったお葬式を取材することができました。心臓発作のため先月亡くなった、40代の女性の告別式。遺族の希望で身内だけの「家族葬」がおこなわれこの日はおよそ30人が参列しました。

お葬式が終わると担当者が遺族のもとを訪れ、見積書と請求書を照らし合わせながら、追加費用を説明します。追加は3万円ほどで、葬儀費用は僧侶へのお布施を除いておよそ65万円でした。
ご遺族は「棺にお金をかけるよりも、お花をいっぱいにして華やかにしてあげられたので、故人を供養する上で満足のいくお葬式だった」と話していました。

                                                                                

一般の人にはわかりにくい「お葬式の費用」を研究するNPO法人が大阪にあります。 その名も「葬儀費用研究会」。お葬式や法事に関する相談を受け付けるほか、葬儀社の紹介もおこなっています。最も多いのは、お布施に関する問い合わせだそうです。


西口和憲・代表
「葬儀費用だとかお布施という表現するとき『取られる』と表現する。お布施は
差し出す側が『受け取ってください』と頭下げてお出しするのがお布施なのに、
なぜか取られたという印象があること自体、我々からみて残念ですね」

西口さんの本職は仏壇などを販売する仏具店の店長です。西口さんが紹介したお葬式およそ440件を調べたところ、総額は平均で100万円前後。家族や親族のみのお葬式が多いそうですが、全国平均のおよそ半分の額です。

西口さん
「葬儀社側もいつ仕事になるかわからない、一旦仕事になれば、できるだけ費用を
高くしたい。また消費者側は葬儀社を事前に回って安い所、適正な所を探す
行動をとらない。後ろめたさがあるんでしょうね」

事前の相談は後ろめたい、という意識は変わりつつあります。お葬式についての
相談やセミナーをおこなうこの会社では、身内が亡くなる前から相談に訪れる人が 増えているそうです。

相談に訪れた60歳の男性
「自分の親が90と86というのもあって、あと自分自身。いくら親が高齢でも、
自分が先にいかない保証ない。我々の団塊の世代は自分で自分の落としどころを
きちんとしておくのが我々個人の責任だと思う」

納得のいくお葬式をするためにこの会社が勧めているのがエンディングノートです。
エンディングノートとは自分が亡くなった時、どんなお葬式にしてほしいかをあらかじめ記しておくノートのことです。遺言書のような法的効力はありませんが、残された家族が悩むことなく、お葬式をおこなうことができます。

葬儀サポートセンター・岩貞光祐さん
「親にこれを書いてもらおうとしても、入院してしまった親に『書いて』と言うのは
さすがに心情的に言えないので、できれば元気なうちに家族でワイワイ言いながら
書くのもひとつの方法かなと思います」

死は全ての人に訪れるもの。元気なうちからお葬式について備えておくことが、人生のエンディングを納得して迎える最良の方法なのかもしれません。

2009年6月5日放送